9.21(sun) ヤノベケンジ「MEGAROMANIA」



ファンであるヤノベケンジの展示を目の前にして、美術館前でうかれるヤツタニ氏



「MEGAROMANIA」のチラシより


万博公園内にある国立国際美術館。
来年の秋に中之島に移転するこの美術館で、ヤノベケンジの展示が行われた。
ヤノベケンジとは誰か。
ご存じない方に簡単に説明すると
現代社会におけるサバイバルをテーマにした立体作品を作っている世界的にも有名な現代美術家、である。
彼の代表作がアトムスーツ。
アトムスーツとはアトムをイメージした形の放射能感知スーツ(写真の左の黄色いスーツ)である。
放射能をカウントする装置が胸部につけられていて、
実際にヤノベ自身がアトムスーツを着てチェルノブイリの被爆した場所を訪れたりしている。

大阪出身であるヤノベケンジは、幼い頃
1970年の大阪万国博覧会の跡地(跡地と言っても現在のような跡地ではなく、まだ取り壊されかけの巨大ロボットやパビリオンがあった)
でよく遊んだらしく、その未来の廃墟ともいえる強烈なインパクトが、創造の源になっているらしい。
だから作品も「未来の廃墟」的な匂いがする近代ロボットが多い。

今年、老朽化で、もう長年使用されずにそびえ立っていたエキスポ・タワーが解体撤去された。
その解体される前にエキスポ・タワーの内部をヤノベさんが訪れた。その写真が上の写真である。
内部に侵入して驚いたのが、廃墟となったタワーの内部で、なんと緑の生命が誕生していたのである。
廃れるもの、生まれるもの。
そのエキスポ・タワーの廃材と、誕生した緑たちを使って、新たな作品を作り発表している。

アトムスーツプロジェクトの写真、MEGALOMANIA(誇大妄想狂)の展示など、ヤノベケンジさんのサイトで作品を見れます。
百聞は一見にしかず。というわけでこちらをどうぞ→



 
アトムカー。
ヤノベコインを入れると走る。
放射能感知装置がついていて、放射能を感知すると、前面にカウントされる。
10回カウントするまで走る。
上手く放射能をよけながら走らねばならない。



アトムカーの内部。



美術館内を走るアトムカー!
動くからブレてしまった、ごめんなさい。


そして、何よりすごいのが、ヤノベさんの作品(ロボット)は全部動いて、
実際に使用できることである。
アトムカー、私も操縦したけど、こんな車あったらいいのになあと真剣思ってしまった。



展示を見てすっかりファンになってしまった私は、本物のヤノベさんにサインをしてもらう。
「私がアトムスーツを着ているところを書いてください!」とリクエスト。



アトムスーツを着たあんこまんを書いてくれているヤノベさん。
ちゃんとポシェットをしているところまで書いてくれた。



できあがり!家宝にします!!


すべて作品を見終えた後に、ヤノベさんがこの展示を完成させるまでの道のりをドキュメンタリーで撮影した映像を見た。
長年からの夢であった、自分の作品を一同に集めた「MEGALOMANIA」の展示を、
自分の創造の源となっているこの思い入れのある万博の跡地である万博公園で、
そしてこの美術館が取り壊される前に、どうしてもここでやりたい!赤字でもいい!という
ものすごい意気込みが感じられて、とても心を打たれた。
ただの展示じゃあなかったのは、そんな思いいれがあったからなんだ・・と
一人の創造物にかける情熱を目の当たりにし、
そしてその情熱が、見ているこちらまで伝わってきたので感動した。

今まで、写真や絵に比べて、立体作品って何か意味不明なものばかりでおもんない!という印象だったのだが、
こんな素晴らしい立体作品を作る現代美術家がいるんだー!!と驚きであった。
ヤノベケンジさんの展示が、どこかで行われる時があれば
みなさんもぜひ足を運んでみてください。
きっと心打たれるものがあるはずです。


美術館を出たら、空に虹がでていた。







久しぶりに見た虹。
そして虹を写真で撮ったのは初めてだ。
太陽の塔と一緒に虹が撮れて、ちょっと嬉しい。
みなさんも、この時の虹、見ましたか?







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