★きっかけ★

  JAM POTで知り合ったbitbybitのki*koさんが、
ソーイングギャラリー「gift展」で展示した私のフランスのギフトセットのうち
  フランスフォトカードセットを注文してくれた。
せっかくなのでお会いしましょう!ということになって、商品を手渡しすることになり、中崎町のカフェ「lights」で初対面。
雑貨の話や、いろんな話をして、将来の夢を聞かれた時に
  「実は中崎町で雑貨屋さんをしたいんです」とお話したのが、きっかけとなるなんて、そのときは夢にも思わなかった。

  それから何日かしてki*koさんからメールが届いた。
  「中崎町にある雑貨・カフェのお店が今年いっぱいで閉店するそうで、
新しく雑貨屋もしくはカフェをするオーナーさんをさがしているみたいですよ。
よかったらそのお店のサイト見てみてください!」というメールだった。
  「ええ!?」早速そのお店のサイトをみてみると、なるほど什器など譲りたいので、
そこで新たにお店をするオーナーさんをさがしているようだった。
これはチャンスかも!!心臓がドキドキした。
  早速、オーナーさんにメールを送ったのだが、いてもたってもいられず次の日、
仕事が終わってすぐにそのお店を訪れて 話を聞きに行った。

   什器や電化製品など譲り受けられるという利点は大きかったのだが、お店が中崎町界隈よりちょっと離れていて
  人通りの少ない路地に面しているのが、欠点であった。オーナーさんはものすごくいい人で、
親身になっていろいろ話をしてくれて、経営することの難しさなど現実的なこともいろいろと教えてくれた。
  「じっくりよく考えて決断してくださいね。」
   ものすごく悩んだ。利点と欠点。何人かの友達に相談したら、物件をわざわざ見に行ってくれて、
  メールや手紙をくれた(ありがとう!!感謝しています!)。
  「やっぱり、場所がちょっと離れすぎてるなあ。人通りも少ないし、厳しいかも。」と同じ意見だった。

閉店するというお店の物件がいいか悪いかは、その中崎町で実際どういった物件があるのかを知っていなければ判断が難しい。
本当は来年の春にやる個展が終わってから、物件を探しに行こうと思っていたのだが、
急遽中崎町の物件を見てみることにした。
「木」に行って、おすすめの昔からやっている地元の不動産屋さんを紹介してもらう。
不動産屋=怖い偉そうなおっちゃんがいて、女はまちがいなくなめられる
という図式が成り立っていた私は、ドキドキしながら不動産屋に入った。
中にいたのは親切な品の良いおばあさんだった(後で聞いたら「木」の常連客さんで私と同じ担当の人だった!)。
「中崎町で雑貨屋さんをしたいんです」というと
「最近は中崎町が第二の堀江になると予想して、お店をしたいって言ってたずねてくる人が多いねえ」
と言いながら、中崎町の地図を広げた。
どうやら中崎町のカフェ・お店を数軒手配したようで
「どこもお店をやっていくのは大変そうだよ。他にアルバイトしながらお店やっている人も多いし。
今のお勤めの方が収入も安定しているし、そっちの方がいいんじゃないかねえ。おせっかいだけど・・」と何度も心配されたが
「いえ!30歳までに店をやるっていうのが夢だったんで、やりたいんです!!」と意気込んで言うと
「今は開いているところがなくてね・・。ここならもしかすると開くかもしれないなあ。
今は教室してはるんやけど、交渉したら貸してくれるかも・・。」
といって見せてくれた物件は、閉店するお店より家賃が1万円高かったが、広さは広く
場所も大きい通りに面していて、駅からも近くていい場所だった。
今は教室してるから、中は見れないけど、外観だけでもよかったら見に行ってみはったら?
と言われたので、さっそく見に行ってみることにした。

そして訪れた教室は、その立地条件と、外観を人目見て気に入った。
「ここならいいかも!!」ではなく「ここでやりたい!!」とそう思った。
改装したらきっとかわいくなる。その様子が目に浮かんだのだ。
イメージがどんどんわいてくる。
帰り道、いろんな思いが頭の中を巡った。
翌日、閉店するお店のオーナーさんに物件をお断りする連絡をした。